Atelier / Hiroshi Konuma









「この人は地球の人じゃないかもしれない」と思ったのが小沼さんの第一印象だった。かれこれ20年ほど前、足繁く通ったのは陶芸家の小沼寛さんと盆栽作家の加藤文子さんの那須のアトリエ。最初にお会いしたのは、岩槻のギャラリー「ひよし」。古民家の空間、薄暗い室内に空から差し込む光の中に、陶芸の常識から離れた造形と技法と、宇宙からの音を閉じ込めたような色。そして、文子さんの壮大な時の結晶のような草盆栽の世界。お二人に強く惹かれて那須の地に通った。お二人の暮らしは、私の理想だった。過去形ではなく、今でももちろんそう思っている。お互いを尊敬し尊重するパートナーとしての姿、人生の厚みと彩りと少しの苦味と、すべてを包み込み熟成させていく術を学びたいと感じた。
時はたち、ノモトヒロシと那須へ出かけた。お二人に「この人と結婚します」と紹介したくて。

つづく…


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